audiobook.jpは、対象の日本語作品を定額で聴きたい人と、気に入った本の音声を購入して手元に残したい人に向くサービスです。聴き放題は年割なら年額9,990円で、購入した本は有料プランを解約した後も利用できます。作品を選ぶときは、本の題名だけでなく、朗読者やドラマ形式の違いも比べられます。
この記事の目次
私はaudiobook.jpを数年使ってきました。評価しているのは、たくさん聴けることに加え、同じ一冊をどう聴きたいかまで選べるところです。一方、図を眺めながら考えたい本まで耳だけで済ませようとすると、便利さを感じにくくなります。
聴き放題と単品購入では、使い続ける条件が違う
audiobook.jpには、対象作品を定額で聴く聴き放題と、欲しい一冊を買う方法があります。聴き放題は全商品が対象ではなく、好きな著者の新刊が会費に含まれるとは限りません。対象外の音声版なら、単品購入や対象作品に使えるチケットで入手します。
『イシューからはじめよ[改訂版]』のように仕事の説明を聴く本と、『成瀬は天下を取りにいく』のように声の掛け合いを楽しむ小説は、同じサービスでも使い方が違います。どちらも、聴き放題の対象表示がある音声版です。
『イシューからはじめよ』は、答えるべき問いを絞ってから考える本
安宅和人さんの『イシューからはじめよ[改訂版]』は、手当たり次第に作業を増やす前に、いま答えるべき論点を見極めるための本です。論点の見極めから仮説の組み立て、分析、伝え方へ進みます。何を調べるかが決まらず、資料を集め続けてしまうときに、先に問いを絞るという考え方が判断の材料になります。
audiobook.jpの改訂版は宮沢拓弥さんの朗読で、再生時間は5時間24分24秒。商品ページには57件の添付資料が掲載されています。
たとえば仕事で調査を頼まれたとき、集める資料の数を先に決めるのでなく、その資料で何を決めたいのかを書き出してみる。本の考え方を自分の仕事で試すなら、そんな使い方ができます。
実用書は、説明に納得しても、そのまま自分の仕事に当てはめられるとは限りません。役立てたい箇所でいったん止め、「いま答えを出したい問い」を紙に一行書くと、何のために聴くのかを絞れます。うまく書けないときは少し戻り、その問いに関わる説明を聴き直す。一冊を早く終えることより、翌日の仕事で試せることを一つ持ち帰る読み方です。
説明系の本は、音声を流し続ける使い方だけで評価しなくてよいと思います。全体の流れを耳でつかみ、考えたいところで止め、資料や自分のメモへ戻る。音声と文字に、それぞれ役割を持たせられます。
資料は、アプリの作品詳細にある「添付資料」から開けます。外で使う分は音声とは別に保存しておくと、説明を止めたあとに図表などを参照できます。
複数のページを広げて細かく比べたいなら、文字の本が向きます。耳で全体を追うことと、資料を見ながら考えることを分けて使う本です。
『成瀬は天下を取りにいく』は、挑戦を続ける成瀬を12名のドラマで聴く
中学2年の成瀬あかりが、閉店を控える大津の百貨店に通い、漫才などにも挑戦していく青春小説です。幼なじみや周囲の人との関わりから、成瀬の姿を描きます。
成瀬を見守る島崎は、同じマンションで育った幼なじみです。小学生のころ、成瀬が周囲から無視されていたときには、島崎も助けられませんでした。ところが成瀬は、大きなシャボン玉を作ることに熱中し、地元のテレビに出演してしまいます。人の目を気にして動けなくなる島崎と、思いついたことを実行する成瀬。二人の性格は、この子どものころの出来事にも表れています。
中学生になっても、島崎は成瀬と一緒に登下校しています。成瀬が大きな目標を口にすれば、島崎は疑問を返しながら、その後を見届けようとする。成瀬の勢いだけでなく、そばにいる島崎の心配や親しみも読みたい小説です。役ごとの声があるドラマ版なら、この二人の言葉の受け渡しを試聴で確かめられます。
audiobook.jp版は12名の声優によるドラマ形式で、音楽・効果演出にもクレジットがあります。成瀬あかりを山根綺さん、幼なじみの島崎みゆきを緒方佑奈さんが担当。再生時間は6時間43分11秒です。
成瀬の言葉に、島崎がどう返すか。役ごとの声でやり取りを聴くと、次の出来事を追うだけでなく、二人の距離感も楽しむ聴き方ができます。初めは物語の続きを楽しみ、聴き返すときは返事の調子や会話の間へ耳を向ける。同じ場面を違うところから味わえます。
Audibleの鳴瀬まみさんによる音声版とは別の商品です。役を分けた声と音の演出を聴きたいならaudiobook.jp版、一人の声で文章を追いたいならAudible版という違いがあります。誰にでも同じ演出が合うわけではないので、声や演出の好みは試聴が手がかりです。両社の選び方全体はAudibleとaudiobook.jpの比較で扱っています。
聴き放題の安さは、使う期間まで含めて評価する
通常のWeb料金は月額1,330円、年割は9,990円の一括払いです。月換算833円という表示は、毎月833円ずつ払う契約ではありません。
対象の本を続けて聴くと決まっているなら、年割の支払額は魅力的です。ただ、まだ音声で本を聴く習慣がない段階で、一年分の契約を急がなくても大丈夫です。月額で使う期間との比較や切替条件はaudiobook.jpの料金・年割にまとめています。
私が料金の評価で大切にするのは、月に何冊追加したかより、その本を聴きたい時間が生活の中にあるかです。ライブラリが増えたことに満足しても、聴かない月の会費は安くなりません。新しい本を探す楽しみが続く人と、何冊かを長く聴き返したい人では、選ぶ契約が変わると考えています。
後者には単品購入があります。プランを解約した後も、購入済みの本は利用できます。WebからMP3として保存することもできるため、定額契約を続けることだけが利用方法ではありません。ダウンロードの使い分けで、アプリ保存との違いを説明しています。
作品探しと保存で、期待とずれやすいところ
特定の一冊が目的なら、配信と聴き放題の対象を分ける
「その本の音声版がある」ことと「月会費で聴ける」ことは違います。題名だけで会費に含まれると思うと、対象外の購入作品だった場合に期待が外れます。
私は最初の候補を、一冊だけでなく、次に聴きたい二冊まで広げて選ぶことを勧めます。一冊目が合わなくても別の作品へ移れますし、特定の一冊を買う方がよいのか、対象から選べる聴き放題がよいのかも決まります。
再生しただけでは、端末への保存とライブラリ追加は済まない
聴き放題作品の「再生」は、通信しながら聴くストリーミングです。外で通信せず使う分は「音源をダウンロード」で保存します。また、再生しただけの本はライブラリに自動追加されないため、あとで探したい本は「ライブラリ追加」を使います。
この違いを押さえると、「昨日聴いたから、今日も通信なしで聴けるはず」という思い込みを避けられます。アプリの基本操作はaudiobook.jpの使い方で順番に説明します。
Webの聴き放題は、解約した時点で使えなくなる
期間が残っていても、Webの解約後は聴き放題作品を聴けなくなります。Apple・Google Playの契約とは終了の扱いが違うため、操作は契約元別の解約方法で説明しています。
朗読の演出・品ぞろえ・アプリの使い勝手の評判
複数の演者が参加する音声作品の演出を楽しむ人もいれば、一人の朗読をじっくり聴きたい人もいます。audiobook.jpの全作品が『成瀬』のようなドラマ形式というわけではなく、作品ごとの出演者と形式で選べます。
小説など、聴きたいジャンルの品ぞろえに物足りなさを感じつつ、ニュースも音声で聴ける点を気に入っている人もいます。本以外の情報も耳で追いたい人には、ニュースの配信が選ぶ理由になります。
再生速度は0.5〜4倍で調整できます。たとえば、小説の会話を通常の速さで楽しみ、実用書の説明を細かく追いたい箇所では遅めにするといった使い分けができます。
購入した本の検索・絞り込みにも対応しています。作品を買い足してライブラリが増えても、購入済みの中から聴く本を探せます。
おすすめする人と、別の方法が合う人
← 表は横にスクロールできます →
| 使いたい場面・目的 | 選び方 |
|---|---|
| 日本語の対象作品から次々に選びたい | 聴き放題。続ける期間に合わせて月額・年割を選ぶ |
| 説明を聴き、必要な図表へ戻りたい | 添付資料のある音声版で、考える時間を別に取る |
| 役ごとの声や演出を楽しみたい | 『成瀬』のようなドラマ形式の音声作品 |
| 決まった本を長く聴き返したい | 単品購入で必要な作品を手元に残す |
| 図表を広げながら細かく読み比べたい | 紙・電子書籍を中心にし、必要なら音声も使う |
| 決まった著者の新刊しか聴かない | その音声版の配信と対象範囲で、単品購入も比べる |
対象作品から次の本を選ぶ楽しさがあり、日常の中に聴く時間を作れるなら、聴き放題は使いやすいと思います。
私が使い続けたいと思うのは、一冊を消化するためだけの場所にならないからです。次に聴きたい音声版が見つかった人には、まずその一冊から試すことを勧めます。
通常の無料体験はaudiobook.jpの料金ページ、初回体験以外の特典はaudiobook.jpのキャンペーンで説明しています。




